最近、愛犬や愛猫のおしっこの回数が増えた、おしっこを失敗するようになった…
そんな排尿に関するトラブルはありませんか?
「おしっこの回数が増えた」というと、つい泌尿器系の問題を想像しがちですが、
実はさまざまな病気が原因で起こる可能性があります。
この記事では、おしっこの回数が増えたときに注意したいポイントや考えられる病気、
当院で提供している検査・治療について詳しくお話しします。
1. 本当におしっこの回数が多いだけ?
おしっこの回数が増えたと感じたとき、以下のポイントをチェックしてみてください。これらの情報が、原因を特定する手がかりになります。
- 飲水量の変化:水を飲む量が増えていませんか?
目安:犬は1日あたり90~100ml/kg以上、猫は40~50ml/kg以上が「多飲」の目安です。 - おしっこの量:1回のおしっこの量はいつもより多い(多尿)?それとも少ない?
目安:犬は1日あたり50ml/kg以上、猫は40ml/kg以上が「多尿」の目安です。 - おしっこの色:いつもと比べて色が薄い?赤い?など、異常はありませんか?
これらのポイントを観察することで、獣医師が適切な診断を下すための重要な情報が得られます。
2. 考えられる病気
おしっこの回数が増える原因は、飲水量の増加があるかどうかで大きく2つに分けられます。
① 飲水量も増えておしっこの回数も増えている場合
通常、飲水量と尿量は脳や腎臓で調節されています。この調節機能に異常が起こると、「多飲多尿」の症状が現れます。この場合、1回のおしっこの量が多いことが特徴です。考えられる病気には以下のようなものがあります:
- 腎臓病
- 内分泌ホルモン関連の病気(副腎皮質機能亢進症、副腎皮質機能低下症、上皮小体機能亢進症、甲状腺機能亢進症、糖尿病など)
- 尿崩症
- 子宮蓄膿症や膵炎などの重度の炎症
- ストレス
- 薬剤関連
② 主におしっこの回数だけが増えている場合
下部尿路(膀胱や尿道)に問題があり、排尿困難によって少量の尿を頻繁に出している場合が多いです。
考えられる病気は以下の通りです:
- 膀胱炎
- 膀胱結石、尿道結石
- 膀胱腫瘍
- 膣炎
3. どんな検査が必要?
原因を特定するため、以下のような検査を行います:
- 尿検査:尿の性状や成分を調べます。
- 画像評価:エコーやレントゲンで膀胱や腎臓の状態を確認します。
- 血液検査:ホルモン値、腎機能、炎症マーカーなどを評価します。
状況に応じて、追加の検査が必要になる場合もあります。
治療は病気の原因に応じて異なりますので、飼い主様と相談しながら最適なプランを提案します。
4. まとめ
おしっこの回数が増えるという症状だけでも、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。
膀胱炎のように急に症状が出る病気は気づきやすいですが、
ホルモン関連の病気などゆっくり進行するものは、健康診断で偶然発見されることも少なくありません。
当院では、秋の健康診断キャンペーンを実施中です!
- 猫向けコース:腎臓に関する項目を詳しく調べるプラン
- 犬猫向けコース:画像評価を含む総合的な健康チェック
おしっこのトラブルがある子はもちろん、
病気の早期発見・早期治療のために、この機会に健康診断を受けてみませんか?
「どこまで調べればいいかわからない」という場合も、
ペットの年齢や状態に応じた最適なコースをご提案します。お気軽にご相談ください!